産科のご案内

妊娠初期の病気

妊娠時期によって発生する病気の症状について

はき気や嘔吐が主な症状で、5~6回に分けた少量の食事・十分な水分補給・安静と休養で過ごすことが必要です。妊娠14~16週ごろには改善することが多いですが症状がひどくなると「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と呼ばれ、脱水・けいれんなどが生じることもあり、点滴入院を必要とする場合もあります。

流産

切迫流産

流産が「切迫」している、つまり流産しかかっている状態。
ただし、正常妊娠へ復帰する可能性もあります。治療の主体は安静・休養です。
子宮内に出血が長期間とどまると感染したり羊水過少の原因となる場合もあります。

流産

妊娠22週未満で妊娠の継続が出来なくなることを流産といいます。自然流産は妊娠の約15%で発生するとされており、母体年齢の上昇で増加傾向にあります。胎芽(胎児)の染色体異常が原因とされていますが、両親に問題が無くても誰もが回避できない自然淘汰(遺伝プログラム異常を子孫に残さない)の現象と言われています。

化学的流産(妊娠検査薬に反応したが超音波検査で妊娠診断ができないうちに生理様出血で終了)・完全流産(自然に妊娠成分が全部出てしまう)・不全流産(妊娠成分が完全排出されず治療が必要)・稽留流産(けいりゅうりゅうざん、症状が全くないまま胎児発育停止)などがあります。
当院では希望による人工妊娠中絶は行っておりません。

習慣流産

連続3回以上自然流産をくり返す流産(2回連続は反復流産)。不育症検査が必要な場合もあります。

子宮外妊娠・胞状奇胎(ぶどうこ)

子宮外妊娠

妊娠の約2%で発生するとされています。クラミジア感染症や淋病、子宮内膜症などによって卵管が詰まりやすくなる事などが原因とされます。妊娠検査薬で陽性となってしばらくたっても子宮内に胎芽(胎児)が見られないときに疑われます。急激な腹痛があると大量出血してショック状態の恐れもあるので慎重な管理が必要です。治療は手術による病巣切除が第1選択です。

胞状奇胎

胎盤を構成する絨毛(じゅうもう)組織の異常で起きる病気で小さな粒の集合体のように変化するため「ぶどうこ」と呼ばれることもあります。

ふつう卵子と精子が1つずつ一緒になって受精が成立しますが、卵子の核が消失して精子の核だけが細胞分裂する場合(雄核発生)や、1つの卵子に精子が2つ入る場合(2精子受精)に発生します。

超音波検査で容易に診断できますが、きちんと手術で除去しないと子宮内に潜りこみ、がんに移行する可能性がありますので少なくとも半年間はしっかり避妊し、血液中のホルモン値検査など厳重管理が必要です。

感染症

B・C型肝炎 / 梅毒 / エイズAIDS / クラミジア / 風疹 / りんご病 / 成人T細胞白血病ウィルスHTLV-1

B・C型肝炎

ウィルス肝炎ウィルスは、赤ちゃんに感染してもすぐには症状に出ず潜伏し(キャリア化)、将来慢性肝炎・肝硬変・肝臓がんに進展する場合があります。したがって、母親の感染チェックや赤ちゃんへの感染を予防することが大切で、妊娠初期の血液検査はこのため行われます。感染が認められても妊娠中は特別な治療はありません。母乳育児も制限はありません。

B型肝炎ウィルス感染の母親から生まれた赤ちゃんには、出生48時間以内に抗HBs免疫グロブリン(HBIG)を注射して感染の予防を行います。

その後のケアは母親の感染状況によって異なります。C型肝炎ウィルス感染の母親から生まれた赤ちゃんは、自然消失も少なくないので、定期的検査のみで出生直後~3歳ごろまでに行う治療はありません。

梅毒

最近増加(特に東日本大震災の復興関連事業で各地より感染源が仙台市等へ流入しています)の傾向にあります。放置すると胎児感染し重症化の恐れがあります。妊娠初期のペニシリン投与で胎児感染を防ぐ効果が高いとされています。

エイズ(HIV)

日本のエイズ(HIV)感染者の出産数は年間に30件程度ありますが、適切な予防対策(抗ウィルス薬・帝王切開・粉ミルク育児など)を受ければ赤ちゃんへの感染率は1%以下に抑えられるといわれています。

クラミジア

早産や前期破水のリスクを上昇させる可能性があります。パートナーも感染している場合がありますので内服治療は同時期に2人分必要です。出産時に赤ちゃんが産道感染すると肺炎などが生じる恐れもあります。

風疹

2013年の全国的な流行が話題となりましたが、胎児に感染がおよぶと先天性風疹症候群(CRS;白内障・難聴・心奇形・発育不全など)が発症する可能性があります。有効な治療法が確立していないのでワクチン接種による予防が第1とされています。

りんご病(パルボウィルスB19)

胎児に感染がおよぶと重症貧血・全身のむくみで胎児死亡となる場合もあります。経過観察で自然になおる場合もありますが予防・治療法が確立されていないので、周囲の流行情報に注意する必要があります。

成人T細胞白血病ウィルス(HTLV-1)

元宮城県知事の浅野史郎さんが白血病を発症したことで、ご存じのかたがいらっしゃるかも知れません。長期の潜伏期間を経て白血病などの症状が発症する原因がこのウィルスとされています。

HTLV-1のキャリアは約100万人で、かつては九州地方が中心でしたが、近年は関東・北陸・東海など全国に広がりをみせています。母乳から感染する可能性があり、授乳の方法に工夫が必要です。

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